長期記憶の種類
エピソード記憶
意味記憶
非陳述記憶(非宣言的記憶)—–潜在記憶
手続き記憶
プライミング
古典的条件付け
記憶は、内容に応じた分類ができます。言葉で表現できるかどうかで、「陳述記憶(宣言的記憶)」「非陳述記憶(非宣言的記憶)」に分けられます。また、記憶を思い出すときに意識にのぼるかどうかで分ける「顕在記憶」と「潜在記憶」があります。
いつ、どこで、という個人の経験や体験に基づいたできごと、例えば朝食のメニューや、遠足の思い出は「エピソード記憶」と呼ばれます。
一方で、一般的な知識などに関する記憶は、「意味記憶」といいます。自分で経験していないことであってもこれらは知識として記憶に残り、いつどこで覚えたかなどの経緯も分からなくなりますが、似たような概念ごとにネットワーク化されることで記憶が定着していくと考えられています。例えば、分類を階層に分けると、動物→鳥・魚・哺乳類→カモメ・ペンギン・マグロ・イワシ・クジラ・イルカのように、分類の大きさに応じて複数の階層にそれぞれの知識が保存されているという「階層的意味ネットワークモデル」がその一例になります。ネットワークモデルにはほかにも、意味の近さ、音や文字のつづりの類似性によって、情報の結びつきがある考えるモデルもあります。
「エピソード記憶」と「意味記憶」の二つは、「陳述記憶(宣言的記憶)」にあたります。また、自分の経験として思い出すことができる、もしくは記憶や知識を有していることを自覚することができて、その知識に意図的にアクセスすることができることから、「顕在記憶」に属しています。
「手続き記憶」と呼ばれるのが、体で覚えていると例えられる記憶です。これらは技能や習慣で、例えば自転車の乗り方や泳ぎ方は、一度習得した人は数年ぶりに実践しても忘れてしまっているということはありません。
「プライミング」は、先に取り入れた情報に無意識のうちに影響を受けてしまう潜在的な記憶です。10回クイズで「シャンデリアって10回言って」という指示通り10回言ったあと、「毒りんごをたべたのは?」と聞かれて、白雪姫ではなく「シンデレラ」とひっかかってしまうのは、シャンデリアというプライム刺激がシンデレラというターゲットを活性化させて、意識するよりも先に言葉にしてしまうからです。
「古典的条件付け」は、パブロフの犬の実験に代表される記憶に基づく生理反応です。
「手続き記憶」「プライミング」「古典的条件づけ」は、言葉やイメージで表すことができないため、「非陳述記憶(非宣言的記憶)」と呼ばれます。また、この3つの非言語性意味記憶は、それが記憶されているということも本人に自覚できない類の記憶なので、「潜在記憶」と呼ばれます。
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