集団の圧力(同調)
周りの人たちの意見に影響されて、自分の意見を変えてしまうということを「集団の圧力(同調)」といいます。
アメリカの心理学者ソロモン・アッシュ(1907~1996)の実験では、基準となる1本の線の描かれた図と、長さの異なる3本の線の描かれた図を参加者へ見せました。参加者は、3本の線の中から基準の長さとなる線と同じ長さの線がどれになるか選んで回答します。回答者がひとりで問われてひとりで回答する場合には、正答率がほぼ100%でした。ところが、回答者が複数いて被験者以外がみなサクラの場合、順番にひとりずつ間違った回答を言っていくと、自分が回答するときに間違った答えを同調して回答してしまうことがわかりました。サクラの回答がバラバラの場合はそれほど同調はみられず、サクラの回答がひとつの間違った答えに全員一致している場合に、この同調は最も顕著に影響しました。自分の選んだ答えに自信が持てなくなる、他のメンバーからひとりだけ違うと思われたくない、嫌われたくないなどの心理が働くからだといわれています。
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