心理学は統計

多くの場面で話題になる性格診断テストや心理テストというのは、「心理学」ではありません。

また、人の心を操る「マインドコントロール」と呼ばれるものの多くも、「心理学」とは区別されます。これらは、人間の心理や行動に関する法則を明らかにする科学的な方法ではなく、個人の主観や思い込みに基づいたものが大半です。血液型で性格がという話も心理学ではありません。

心理学は特定の個人の心理や行動をとらえるのが目的なのではありません。だれもが持つ心の働きとそれに伴う行動など、普遍的な働きを統計に基づいて明らかにするのが心理学です。

科学的な研究や統計に基づかない心理テストや読心術を当たっていると感じるのは、そもそも人が「自分に都合の良いことや信じたいと思うこと」だけを覚えておこうとする性質があって、印象に残っている「覚えていること」が「当たった」という意識に結びつくからです。
また、「誰にでも当てはまるあいまいな内容」を「自分にだけ当てはまる」と考える傾向があります。つまり、誰にでも当てはまることを、時間が経っても覚えていることにより「当たっている」と感じるのです。

統計学

統計学とは、統計に関する研究を行う学問で、経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見つけ出すもので、幅広い分野で応用されています。
統計は、心理学以外でも、物理学・経済学・社会学・言語学といった人文科学・社会科学・自然科学(基礎科学)から、工学・医学・薬学といった応用科学まで、実証分析を伴う科学の分野において必須のものとなっています。

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