認知の仕組み
目や耳などの感覚器官から送られてきた情報は、大脳皮質の中でいくつかの成分に分けられます。例えば、視覚では、目から得られた情報は「形」「色」「動き」などの情報に分けられて、それぞれを扱う領域へと伝えられていきます。脳は、単純に目で受け取った情報を「どんな色のどんな形」と処理しているのではありません。
例えば、本を見たとき、目から得た情報は大脳皮質の「一次視覚野」から「下頭頂小葉」へと伝えられ、「本」であると認識されます。これが知覚を達成するまでの脳内の大まかな処理です。視覚だけでなく、他の感覚器官からの情報も同様の経路をたどり、対象を認識します。「本のページをめくる音」は「一次聴覚野」を経て、本を手で持った際の触覚情報は「一次体性感覚野」を経て、それぞれ下頭頂小葉へと伝わり、「本」だと認識されます。
対象を認識したとき、人は過去の経験を活かし、未来の行動を推測します。例えば、「手に触れているのは本だから、ページを開いて読まなければ内容がわからない」と考え、「ページを開こう」と決めます。このように、過去の経験から使用方法を思い出し、活用方法を考えて対応を決めることができます。これが認知です。
認知の働きによって、私たちは周囲の感覚情報をもとに、適切な行動をとることができるのです。
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