神経細胞のネットワークと記憶
「大脳皮質」は、大脳の最も外側に位置する、約140億個の神経細胞からなる2~4mmの層で、思考や判断といった知的活動を担っています。その内側にあるのが「大脳辺縁系」です。視覚、嗅覚、触覚、味覚、聴覚などの、各感覚器官から送られてきた信号は、まず大脳辺縁系にある「嗅内皮質」に集められてから、隣の「海馬」へと送られます。嗅内皮質には文字通り「嗅」と名前がついていますが、嗅覚に限らず、あらゆる感覚情報がまずここに集められます。次の海馬へ送られた信号は、整理・統合され、大脳皮質にある視覚情報を処理する場所である「視覚野」や、大脳皮質で嗅覚を処理する「嗅覚野」といった、それぞれの場所へと送られて、記憶として格納されます。何かを思い出そうとするときには、この逆の経路をたどって記憶が蘇る仕組みとなっています。
何度も信号を送り、回路を作り変えることで、記憶が更新される
神経細胞のネットワーク内を信号が送られるとき、つまり、脳が新たに物事を記憶するときには、神経細胞どうしのつなぎ目であるシナプスの形が変化します。同じことを繰り返し学習すると、同じシナプスに何度も信号が送られるので、シナプスが大きくなり、これにより信号の効率的な受け取りができるようになります。反対に、あまり信号の入力のないシナプスは時間が経つと小さくなっていって、次第に消滅します。このような回路の作り変えによって、記憶は更新されるのです。
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