ステレオタイプ
多くの人に浸透している先入観や、ある社会的カテゴリーや特定の属性を有する人が持っていると考えられる共通の特徴を、過度に一般化または単純化した概念のことを「ステレオタイプ」といいます。人種、国籍、出身地、性別、職業、血液型など、そのカテゴリーに当てはまる人が共通してある特徴を持つという観念です。
ステレオタイプは必ずしもマイナスイメージのものをいいませんが、「偏見」というとマイナスな意味が強まります。
特定の対象に対して、考え方や行動、態度に偏りがある状態が偏見で、その対象にとって不利益を与える行為が「差別」です。
選択的知覚
多くの情報が与えられる中で、その情報を得た人にとって重要だと感じる情報が、脳によって特別に選択されて知覚されることを選択的知覚といいます。無意識のステレオタイプをもとにある対象をとらえたときに、雑多な情報の中から、その無意識のステレオタイプに合致する情報を選んで取得しようとする心理が働きます。「〇〇は、やっぱり××なんだな」と自分の中のステレオタイプが維持・強化されていくのはこのためです。
この反対の心理として、「○○なのに、××ではないなんて、これは例外なんだな」と自分が思うステレオタイプに合致しないものを例外とみなすことを「サブタイプ化」といいます。選択的知覚とサブタイプ化を繰り返すことにより、自分の中の過度に一般化・単純化された概念は、さらに強化され、ステレオタイプとして維持、強化されていきます。