誰かがそばにいるときに行う作業や、競争して行う作業が、個人で行った作業と比べた場合にその作業効率が変化することを、観客効果といいます。
このことを最初に発表したのは、アメリカの心理学者ノーマン・トリプレット(1861~1934)で、自転車競技を単独でタイムを計測した場合と、他者と一緒に走る場合では、後者のほうがタイムが上がるとしました。のちにこの効果はフロイド・オルポート(1890~1979)により「社会的促進」と名付けられ、ライバルと競う形ではなく、同じ作業や課題を行う他者がいる場合でも効果(共行為効果、または共行動効果)があることを提唱しました。また、自分以外の他者の存在が逆に作用する場合もあります。それは、周囲の期待が大きく自分に自信がない時や、作業を厳しく監視されているなど抑圧された場合、他者からの否定的な評価を恐れた場合にパフォーマンスが下がることを「社会的抑制(社会的制止)」といいます。
社会的促進
パフォーマンスがあがる(実力が十分にあり、協働や競争によりさらに力が発揮できる)
社会的抑制
パフォーマンスがさがる(自信がない、不安がある、評価が心配でいつもの力が出せない)
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