認知心理学
認知心理学は、1950年代にコンピューターの発展とともに誕生した新しい心理学です。情報科学の考え方を心理学に取り入れていて、人の体を情報処理装置ととらえ、人の心を体に備わったソフトウェアのようなものと考えます。感情、注意力、記憶、思考などは、目や耳、鼻といった感覚器官を通じて得た情報を、心というソフトウェアプログラムで処理し、判断した結果生じるものだとしています。認知心理学では、このような心のプログラムを理解するために、実験などによって心のしくみを「モデル化」することを目指します。
ウルリック・ナイサー(1928~2012)ドイツ系アメリカ人心理学研究者。1967年の著書『認知心理学』で心の中で生じている情報処理の過程について研究する学問を「認知心理学」と名付けました。
記憶のモデルに関する実験
ロバート・スターンバーグ(1949~)による記憶の仕組みを探る実験です。数字のリストを見せたあと、改めて提示された数字がリストの中にあったかどうかを参加者に判断させます。提示された数字を記憶のリストにある数字と一つずつ順番に照合する「モデルA」と、リストの複数の数字と一度に照合する「モデルB」の二種類の記憶のモデルが想定されました。リストの数字の個数が多くなるほど判断に時間がかかったことから、「記憶のリストにある数字とひとつずつ順番に照合している(モデルAである)」という結論が得られました。
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