5つの特定因子
パーソナリティに関する研究は1960年代以降さらに進んで、大規模な統計やコンピューターによる解析が行われました。その結果、複数の研究者によって、「神経症傾向」「開放性」「誠実性」「外向性」「協調性」という5種類のパーソナリティを表す因子に集約できるという結果になりました。この5種類は、英語以外の文化圏で同じ研究手法で別の研究者によって行われても同じような結果になり、言語や文化に関わらず、人間のパーソナリティに共通する性質として考えられるようになりました。アメリカの心理学者ルイス・ゴールドバーグ(1932~)はこの5つの特性による分析を「ビッグ・ファイブ理論」と呼びました。
ビッグ・ファイブ理論では、用意された質問項目に応えることで、5つの特定因子のうちどれがどのくらい強い・弱いかを測定します。パーソナリティの結果は、五角形のレーダーチャートに表されます。
「神経症傾向(神経質⇔冷静)ストレス耐性やネガティブな刺激に対する反応
「開放性」(革新的⇔保守的)知的好奇心の強さ、想像力、芸術的感性
「誠実性」(誠実⇔不誠実)自己規律、責任感、几帳面さ、我慢強さ
「外向性」(外向的⇔内向的)話し好き、率直、積極性、社交性
「協調性」(利他的⇔利己的)思いやりがある、他者への共感力、献身、協調性