アイデンティティ、「自我同一性」とは
「自分がどのような大人になるのか」「周囲から自分はどのようにみられているのか」ということを意識するのが、大人の入り口にあたる思春期から青年期の課題です。「自分とはこういう人間である」と自覚できて、かつ現在の自分と将来の自分とが同一である、という実感を得ることが、エリクソンのいうアイデンティティの確立です。アイデンティティを確立できれば、10年後、20年後の自分も結局自分で、現在の自分の行いの責任は将来の自分がとるのだという感覚が生まれると考えられています。アイデンティティが正常に発達した場合に獲得される人間の根本的な性質としてエリクソンは「忠誠性」があり、社会的価値やイデオロギーに自分の能力をささげたりすることができます。アイデンティティが正常に獲得されないと、自分のやるべきことがわからないまま日々を過ごしたり、熱狂的なイデオロギーに傾倒してしまうと考えられています。
自我同一性の確立
自分の認識している自己像と、社会に認められている自分が一致することで、アイデンティティが確立されると考えられています。
同一性拡散
アイデンティティの確立がうまくいかないと同一性拡散の危機に陥ります。「自分が何者なのか、自分が本当にしたいことは何なのかわからない」と、自分を見失って不安になったり、他者の目を気にしすぎて自意識過剰になったりします。