他者の「心」を推察できるか調べる実験、誤信念課題
他人の置かれた立場や状況を理解し、その人の身になって気持ちや考えを考えることができる心の働きのことを「心の理論」といいます。
この働きを獲得する発達時期がいつ頃なのかを調べるためのテストが「誤信念課題」です。
(1)サリーがボールをかごにしまって、部屋を出る。
(2)サリーがいない間に、アンがボールを箱に移し替える。
(3)サリーは、部屋に戻ってきたあと、かごと箱のどちらを探すのか?
(2)サリーがいない間に、アンがボールを箱に移し替える。
(3)サリーは、部屋に戻ってきたあと、かごと箱のどちらを探すのか?
ポイントは、「アンにボールを移されたということを(自分は知ってるけれど)サリーは知らない」という状況を、正しく理解できているかどうかです。心の理論を獲得する3歳までの幼児は、サリーの身になって考えることができず、今ボールがある場所である「箱の中を探す」と回答します。4~5歳になると、子供はうそをつくことがありますが、これも心の理論の働きによるものです。𠮟られるのが嫌で、「こう説明すれば、叱られないはずだ」と大人の立場を理解し、想像できるからつくうそなのです。