「類型論」と「特性論」

パーソナリティを研究するには、数あるさまざまな人間のパーソナリティを、何らかの方法で客観的にまとめたり分類したりする必要があります。その方法として、「類型論」と「特性論」のふたつに大きくわけることができます。

類型論

「タイプ分け」が「類型論」にあたり、古代から現代までさまざまな類型論が考え出されています。この分類の仕方はシンプルですが、人がもつパーソナリティを詳しく調べようと思った時には限界があります。たとえばユングの8つの性格タイプでいえば、「外向的」というタイプと、「内向的」というタイプに分類しようとした場合、両方の中間に位置するパーソナリティを表すことができません。

また別の例として、ドイツの精神科医エルンスト・クレッチマー(1888~1954)が発表した3気質では、体系と気質に関連があるとされました。当時の三大疾患、統合失調症、躁うつ病、てんかんの患者を、気質と体系から3つのタイプに分けましたが、客観的な根拠が乏しいため、現在では用いられていません。
細長型:分裂気質。繊細、静か、控えめ、真面目、社交的ではない。
闘士型:粘着気質。几帳面で粘り強いが、その反面手際が悪い、頑固で融通が利かない。
肥満型:躁うつ気質。陽気、同調性があり、親切、ユーモアがあるが、気分が浮き沈みしやすい。

特性論

「類型論」に変わる手法となる「特性論」による分け方では、パーソナリティが持つさまざまな特徴(特性)を数値化して、量で把握します。多角形などのレーダーチャートで表すことが多いです。

PAGE TOP