傍観者効果
誰かが助けを求めているときに、自分ひとりしかいない状態ではすぐに救助に向かうのに、周囲に大勢の人がいる場合は行動をおこさなくなることを「傍観者効果」といいます。これは1964年のアメリカニューヨークで、女性が深夜に暴漢に襲われて死亡した事件がきっかけで研究が行われました。事件当時、38名の近隣住民が女性の叫び声など物音を聞いていました。
ジョン・ダーリー(1938~2018)とビブ・ラタネ(1937~)はこの事件を受けて、1968年に実験による検証を行いました。目の前で倒れて救助を必要とする人に対して行動を起こすかどうかを、一人でいるときと集団でいるときで比較しました。その結果、複数の人が周囲にいるときよりも、一人でいるときのほうがすぐに救助に向かうという結果になりました。
傍観者効果が生じる原因
・責任の分散:自分が救助しなくても、誰かほかのひとが介入するだろうと考える人が多いためです。
・徴収抑制:行動に移したあとに失敗した場合の批判への不安から、救助行動が抑制されるものです。
・多元的無知:周囲の人が何もしないということは、救助や介入など緊急性を要しない事態なのだと誤った判断をするものです。
傍観者効果を防ぎ、行動を起こすのに必要な5段階の認識
・何か普通とは異なることが起きていると認識します
・それが緊急事態であると認識します
・それを見て救助するのは自分であると責任を認識します
・どのような救助をするべきか認識します
・救助を実行することを決断します
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