ノーブルゴールとは、自分の高い目標を定め、日々追求していくスキルです。このスキルを磨くことで、他の感情知能スキルとの相互関係が深まり、さまざまな場面で感情スキルを活かすことができます。ノーブルゴールは変わらない目標地点を示し、私たちに長期的な視点と選択の能力を与えてくれます。また、思考、感情、行動を一致させ、統合的な意思決定を可能にします。ノーブルゴールに従うことで、倫理的で良心的な決定を下し、選択の品質を高めることができます。
このスキルを活用することで、プライベートやビジネス、そして人生を通し、迷いから開放され、進むべき先が明解になり、一貫した意思決定ができるようになります。さらにほかの感情知能スキルとの相互関係が深まり、さまざまな場面で感情スキル活用効果が高まります。
ノーブルゴールという言葉は、これまで日本語にはなかった言葉です。
まず、ノーブル(Noble)は「高い、尊い、崇高、高貴な」という日本語での意味を持ちます。ゴール(Goal)は、なじみのある「目標、目的、目的地」です。この2つの意味から日本語に直訳すると「自分の崇高な目標」となります。このスキルは、その崇高な目標を定め、日々、追求していくスキルです。このノーブルゴールの追求を進めようと実践する過程で、他の感情知能スキルが活性化されます。
わたしたちは、日々の選択を形成する優先事項を持っています。ノーブルゴールは、ブレることなく終着点となり、高い視座、広い視野、確かな視点を築く基礎となります。明確な方向性を見極めることで、思考、感情、行動を調和させ、一貫性のある「意図のある意思決定」を実現します。
定義
日々の選択を、自己の強く大きな目的と結びつけること
日々の生活、すなわち人生では、漠然とした迷いやどちらかを選択すれば、どちらかを失う状況に置かれることがあります。短期と長期の利益や目標、個人と組織の利益や目標と、どちらを選択するべきか難しくなり、最も大切で重要なことを見失う時があります。このような状況下では、自分や組織の欲求やプライドを最優先にするなど利己的で自己防衛に陥りやすくなります。
このような状況下では、ノーブルゴールがどちらを選ぶべきか、進むべき先が誤っていないかなどの確認や目標までの進捗状況などの現状確認の精度が高まります。
「この選択と行動は、自分のノーブルゴールに向かっているのか」という問いかけが、重要なことを明解にしていきます。高く、崇高な位置に決められた目標に従うことで、倫理的で良心的な決定を下し、選択の品質を高めることができます。
理論
地政学的な大きな変化、グローバル化、業務のアウトソーシングや省人化、知的労働者の台頭、AIの労働市場への浸透など、社会環境は短期間で変化し、対応を迫られます。このような状況であっても、思考停止に陥らず、自らの人生を、自らの意志で舵取りをする必要があります。
ノーブルゴールは、あなたの仕事とプライベートを含め、人生全般の価値観、原則、目的の根幹となる目標です。ノーブルゴールは、未来志向であり、今後の自分自身と次世代のために確かな意志決定をする際に役立ちます。その宣言は、利己的思考、勝ち負け、ゼロサム思考から抜け出す手助けとなります。
ノーブルゴールを追求するには、自己認識の向上、選択に対する慎重な判断、プラス思考、選択にかかわる動機の明確さ、他者に対する思いやりなど、感情知能のすべてのスキルを活用する必要があります。
わたしたちは、生まれた時、ノーブルゴールは決まっていません。成長していく中で、見つけていく目標です。人生に2度目はありません、今回限りの人生をどう生きるかです。ノーブルゴールの追求は、まず自分自身の人生の責任は、自ら取ることをコミットメントすることから生まれます。
自分の信念を守ることで生まれる達成感を実感することで、信念はノーブルゴールをさらに強化し、他のスキルとの相互依存が強まり、より質の高い意思決定につながり、好循環が生まれていきます。
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