心得たい。離婚、別れにつながる4つの行動

日本の離婚率は1.57(人口千対・2020,厚生労働省)と低下してきていますが、高止まりの状況が続いています。
離婚の原因は不倫、経済的な理由、性格や価値観の不一致などがありますが、夫婦間の喧嘩・揉め事や子育てにおける意見の不一致、夫婦間のコミュニケーション不足などパートナーとのコミュニケーション方法にも要因があります。

離婚予測の危険要因4つ

心理学教授で夫婦関係研究の第一人者であるジョン・ゴットマン博士は長年の研究の結果、わずか5分間、夫婦の言動を観察することで91%の正確さで夫婦生活の結末を予測することができることを発見しました。
彼は夫婦関係に致命的な傷を追わせ、離婚が予測される「4つの危険要因」があるとしています。

ジョン・ゴットマン 博士
博士は、心理学の名誉教授であり、夫婦関係や結婚生活の安定性の研究で知られている研究者です。科学的かつ直接的に夫婦の観察を行ったことが論文として発表されています。出生地: ドミニカ共和国/生年月日:1942年4月26日

1.非難すること

結婚生活を送っていると、相手に対する不満が出てくることは想像できます。

その場合、不満を伝えるため、「期待通りにならなかったことに対して」満足できない「自分の気持ちを伝える」ことです。しかし、非難となる場合があります。非難とは、相手の欠点や過ちを責めたて、性格、人格、能力を傷つけることです。
例えば、「どうしていつも○○してくれないの」「なんで君は〜なんだ。」と相手を責めたり追い詰めるような言葉です。

事実関係の把握、相手の感情や背景を汲み取ったり、配慮することができず、不満を非難の言葉として口に出してしまうクセがある方は要注意です。
過剰で否定的な言葉は、相手の自尊心を傷つけ、ストレスや怒り、憤りを引き起こし、信頼関係を損なうことにもつながります。また、それに自分自身が慣れてしまうことも問題です。
ジョン・ゴットマン博士は、幸福な結婚生活を送っている夫婦は、日常生活で相手の欠点よりも長所にフォーカスする流れができているか、心がけており、それは「知的感情(Emotional intelligence)による結婚生活」であることを伝えています。
相手の欠点だけでなく長所にも着目し、普段からそれを心に留めておく事、そして不満を感じた時の強い気持ちのまま言葉に出さず、相手の立場を理解することも重要です。相手がどういう状況にいるのか、どういう思いを抱いているのかを考えてみることで 、少し気持ちにゆとりができ、相手に対する言い方や態度を変えることができるかもしれません。

2.侮辱、軽蔑、攻撃

EQが低い人は口論が激しくなったり、感情が爆発した時に「バカ、マヌケ、アホ」というような相手を侮辱したり、軽蔑するような言葉が出てきます。これは相手に不快な感情を引き起こし、お互いに冷静な判断やコミュニケーションをすることが難しくなります。もしあなたがこのような状況に陥った場合は、しばらくの間は、絶対に口を開かず、深呼吸をし、冷静になるように心がけましょう。相手の言葉を聞き、強い感情が収まった時点で自分の意見を伝えることが大切です。
ジョン・ゴットマン博士は、侮辱は相手に嫌悪感を抱かせ、結婚(信頼関係)にとっての毒であると言います。普段からお互いに思いやりの心と感謝の気持ちを持って接する夫婦や、お互いに尊敬の念がある夫婦は、意見が異なったり侮辱的な言葉を言われたとしても、イライラが軽減され、問題解決に向けた話し合いができます。

3.自己防衛

人は批判されると、現実逃避や無意識的な防御反応を示すことがあります。たとえば、言い訳をしたり、自分は悪くないと責任を回避するために相手を責めたり、無言や無視をしたりします。しかし、このような防御的な行動は、新たな問題を引き起こし、解決にはなりません。むしろ、過去の問題を取り上げて相手を責めたり、話し合いから逃げたりすることで、負のループが続き、関係が悪化することもあります。
健全なコミュニケーションをとるためには、これらの行動をしっかりと認識し、負のスパイラルを断ち切ることが大切です。

4.逃避すること

夫婦間において、お互いに話をしなくなり、無言の時間が続いたり、距離を置くことは対話を避けることになります。しかし、このような状況になってしまうと、お互いに理解し合うことが難しくなり、感情的にも身体的にも離れてしまうことがあります。それは結婚生活を避けていることと同じです。お互いを無視し合うと、問題を解決するためのコミュニケーションができず、問題が積み重なる可能性があります。お互いに話し合い解決策を模索し、お互いの気持ちを理解し合うことで、より良い夫婦関係を築くことができます。

高等動物としての本領発揮

夫婦間の喧嘩や揉め事は、どんなに円満な関係であっても起こり得ます。ジョン・ゴットマン博士は、この4つの行動が繰り返されている夫婦において、「リペアアテンプト(修復努力)」と呼ばれる行動を取れるかどうかによって、その後の夫婦関係が決まると述べています。

リペアアテンプトは、言い争いが怒ったり険悪なムードになった際に関係を修復する方向へ向かわせる言葉がけや態度のことです。知的感情で結婚生活を送っている夫婦の秘密兵器であり、これを使える夫婦は険悪な雰囲気を和らげ、関係を修復できると言われています。

例えば、喧嘩がヒートアップしてきた場合、少し冗談を言って場を和ませることができたり、どちらかが「ちょっと冷静になろう」と声をかけたり、「話がずれちゃったね」という言葉を挟むだけでも緊迫した空気を和らげることができます。このリペアアテンプトが効果を発揮するかどうかは、普段の2人の友情や絆、信頼関係によります。そのため、普段から良好なコミュニケーションをとることが大切です。

夫婦関係に悩んでいる場合、まずは自分自身がどのような態度や行動をとっているか振り返りましょう。無神経な発言をして、相手を傷つけているかもしれません。相手に対して感謝の気持ちを伝えたり、声をかけたりすることで、相手との間にプラスの感情を生み出すことができます。お互いに逃げずに向き合い、相手の良いところや尊敬できるところを探し出して、思いやりや感謝の気持ちを忘れずに持ちましょう。このような姿勢でいることで相手もまたあなたに対する態度が変わってくる可能性があります。

これらの問題は、認識と感情の問題から発生しています。夫婦関係において、心の知能指数を高めるためには忍耐と時間が必要ですが、あなた自身とあなたの感情が変化し、成熟するにつれて磨いていく必要があるスキルです。

職場に置き換えてみると

ジョン・ゴットマン博士は、触れていませんが、職場における人間関係、離職も夫婦関係と同様であると捉えるべきです。
1:不満でなく非難がないか、2:侮辱、軽蔑、攻撃がないか、3:言い訳や責任回避がないか、4:当事者同士が避けあっていないか。この4つが揃ったとき、誰かが職場に見切りをつける可能性が高いでしょう。

・John.M. Gottman,Nan Silver(2007),The Seven Principles For Making Marriage Work ,Orion (an Imprint of The Orion Publishing Group Ltd ),ジョン・M・ゴッドマン、ナン・シルバー、松浦秀明 訳(2007)『結婚生活を成功させる七つの原則 』第三文明社
・厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室(2022)令和4年度 離婚に関する統計の概況
・Liza Summerによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/6382648/

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