感情知能を発揮する人の特徴

感情知能が発揮できたときの特徴

感情知能の重要性を理解する方法として、活用できている場合の特徴をご紹介します。
もちろんこの特徴は日本人に限りません、世界のあらゆる人種、文化において普遍的で重要な特徴です。

強力な自己認識力

感情知能を発揮している人々は、常に深い自己認識を持っています。彼らはリアルタイムで自己認識を行い、変化を常に監視しています。過去、現在、未来において自分がどのような人物であるかを正確に把握しています。自分自身の好みや嫌いも完全に理解し、自分の長所と短所についても深い自己認識と理解をしています。これらの認識を基に、感情と意識を統合的に調整し、自己のパフォーマンス向上に活かしています。
さらに、彼らはネガティブな感情反応を引き起こす可能性のある前兆を認識しています。そのため、前兆を察知した段階から周囲の反応を予測し制御することや、自己制御を行うことで、悪い状況の発生を回避しようとします。このような行動は、自分が感じる不安感が一定レベルまで低下するまで続けられます。
それだけに終わらず、他の人の反応を観察しながら、他者の意図を自己の中に再現し、他者の意図を理解することができます。この工程を意識せず巧みに行います。

相手の心とつながる共感力

共感とは、客観的に他者の感情を理解する同情とは異なります。共感は、自分の体の中に他人の立場を限りなく忠実に再現することです。相手の心の中を、自分の心の中に再現する能力です。人間を含め高等動物の脳内には、共感を可能にする部分があります。この脳の機能と意識を結びつけて使いこなすことで、他者の感情を理解し、相手の置かれた状況とそこから感じるものを共有することができます。共感力が高いレベルで活用できると、言葉では伝えられていない思いや意味を察知し、人の感情的な反応の背後にある深い意味を見つけ、相手が期待するサポートを判断することができます。
また、自分の言動や行動が他の人にどのような影響を与えるかを常に注意し、他の人が過ごしやすい空間を理解し、場の雰囲気を一新することができます。
ただし、自分自身が経験したことのない感情への共感は困難です。そのため、自分の経験の中からより近い状況を再現し、共感の精度を高めることを目指します。

強力な対人スキル

自分の感情を適切に表現するためには、コントロールが必要です。特定の状況に直面した際に自制するためには、高度な感情知能を習得する必要があります。他者とのコミュニケーションにおいては、冷静で前向きな態度を保つことが重要であり、社会的スキルの一環として感情知能を活用することが求められます。このようなレベルで活用することにより、必要な状況に応じてさまざまな感情を適切に表現することができます。
感情知能の向上ではなく、感情にふたをして、押さえ込むトレーニングで冷静沈着さを身につけた人々は、パーティーなど、周囲が陽気な雰囲気に心身を任せ、楽しんでいるときや大切なものとの別れの場など、悲しみに包まれているときに、同調することができなくなり、心の底から楽しむことや悲しむ他者に寄り添うことができなくなります。そのため、楽しいフリ、悲しいフリの演技をするしかありません。過去、現在、未来での言動や行動、意思決定に矛盾が生じ、他者と長期的で、良質な信頼関係が構築されず人間関係の質は低下します。
感情に賢い人は、感情を無理に抑制することはしません。必要な場に合わせ、適切に感情のフタを開けて、強力に同調させています。冷静さが求められる場面では平静な感情を保ち、楽しむ時には喜びを感じ、悲しむ時には悲しみに浸ります。心身をそれぞれの感情へ誘導し、感情の表現のバランスを調整しながら、他の人と関わります。
また、自分の感情を周囲へ効果的に伝えるために、簡潔かつ敬意を持って自己主張します。他者の気分を害すことなく、必要に応じて、相手と適切な距離を保ちます。さらに自分の希望を伝える際にも配慮を持って相手に伝えます。
そして、感情知能における対人スキルの中でも強力なものが、場の雰囲気や他者の感情を高度に認識する能力です。これは心を読み、場の空気を読むことを指します。これは、前向きな相互作用を素早く、正確に築くうえで重要な対人スキルです。日常的な人間関係の維持や難しい交渉や説得を行う際にも大いに役立ちます。感情を積極的に読み取りながら、会話の内容へも積極的に耳を傾け、情報として組み立てます。相手から発せられる感情と会話の内容に矛盾が見つかった場合は、適切な質問をして確認し、相手の理解を深めます。そのため、他者からは親しみやすく、自分のことを理解してくれる人として認識されます。

自発性が高い

目標を達成するためにモチベーションを高め、維持するには、自分自身がモチベーションの源でなければなりません。目標に達するまで、常に誰かが鼓舞してくれるとは限りません。特に外部からの報酬が継続的に得られない場合には、自分自身の内なるモチベーションが前に進む唯一の支えになります。
感情知能を活用している人々は、外部からの鼓舞でモチベーションが変化することはありません。報酬や賞賛などの見返りを求めることなく、内なる熱意を持って目標に向かいます。
彼らは自分自身の興味を見つけ、インスピレーションを保ちます。
また、自発的な行動が日々重なることで、自己管理スキルが高まります。適切な自己管理により、現実的な目標を設定し、他人からの不当な要求に対しても毅然と「ノー」と言えるようになります。これにより、ストレスや憂鬱などのネガティブな感情の発生を事前回避できます。これらネガティブな感情は一般的に自己管理が不十分なために引き起こされています。

広く、深い受容力

感情知能を活かせている人は、新しいアイデアや提案を喜んで受け入れます。彼らは自分の弱みや欠点を認識し、設定された目標を達成するためには、他の人がより熟練している可能性があることを十分理解しています。年齢、性別、所属、人種など関係なく、受け入れ、その後、取捨選択します。そのため多くの情報とアイディア、そして人が集まります。その結果、個人レベルでも組織レベルでも、次々とプラスの変化を受け入れ、さまざまな人々や状況の変化に容易に適応します。
さらに、批判も歓迎します。批判を貴重な情報源と捉え、多角的な考えや価値観の参考にすることで、自分自身や組織の問題点を改善していきます。

誠実さの実行

生活、仕事、人間関係とあらゆる場面において、感情知能を意識してきた人々は、道徳性の向上を常に心がけています。彼らは、正直さ、公平さ、平等などの原則に基づいて行動します。過去の習慣や前例を絶対的な基準にしません。彼らは自分の感情や欲望を透明にしながら、常に正しいことをしようと目指しています。
賛否が分かれる価値観や周囲からの過度な期待にさらされている時に、本当の気持ちを表明することは勇気が必要ですが、彼らは限られた時間や資源の中で、リスクを回避するための準備を整え、可能な限り安全な状況で表明や行動をします。
複数の人が集まるグループ内でリーダーになった場合に、感情知識を活かし、人々が頼りにし、信頼できると思われることで、チーム内の協力関係を向上させることができます。

まとめ

高度な感情知能は、数日で身につくものではありません。日々のトレーニングを積み重ねていく必要があります。なぜなら、感情知能の発達は主に脳神経回路の接続の変更や新しい神経回路の形成によって進むからです。
机上での論理的な「学び」だけでなく、実際の行動での経験も必要な「学び」です。

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