感情リテラシーとは

自己認識|Enhance Emotional Literacy

要約
感情リテラシーとは、自分自身や他人の感情を理解するための基礎的な能力です。
具体的には、感情に名前をつけて分類することで更に具体的な分析が可能になり、思考や意思決定に役立てることができます。この能力を身につけることで、その感情が生じた背景や人々を動かすものが何かを理解し、より良い人間関係を築くことができ、その結果ストレスや不安を軽減に繋がり自分らしく生きることができます。感情リテラシーは、感情の理解と管理のトレーニングに基づいて、感情に含まれる情報を正しく読み取る自己管理の基本となる能力ともいえます。

6seconds EQ Model日本語この能力は、自己管理の基本となるうえ、他人の感情を把握するためにも活用されます。
「リテラシー」という言葉は、多くの概念で使われ身近な言葉です。IT、金融、情報などさまざまな分野における理解や活用を定義する際に使われており「適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する」という意味がまとめられています。
感情リテラシーは「感情」が付き「感情の理解・解釈・分析、記述・表現」となります。つまり、感情の理解と管理のトレーニングは、この感情の読み書き能力が基礎になります。
感情には、意思決定に利用できるデータ(情報)が含まれており、感情リテラシーはその情報を解読(インテリジェンス)するためのキーとなります。感情リテラシーは、まず自分自身を理解し、その後、周囲の人との関係を築き、人々を動かす要因を理解し、他者を鼓舞し、モチベーションを高める能力として活用されます。

感情の取り扱い説明書「感情リテラシーとは」

定義

「単純な感情」と「複雑な感情」の両方を、正確に特定し解釈すること

感情は、多層的でとても複雑なものです。感情における自己認識は、自分の感情を特定してネーミング(名前)を付け、さまざまな感情レベル(自己の状況、他者の状況、周囲の状況)を認識するために必須です。また、感情がこみ上げる原因とその結果として生じる影響を理解するためにも役立ちます。

理論

感情リテラシーは、「感情の認識」と「感情への名前を付ける(ネーミング)」を行います。
感情は空想的なものではなく、からだの中で、独自の影響と構造を持つ神経伝達物質として存在します。そして、各感情はそれぞれ独自の生理的「特徴」を持っています。例えば、特定箇所の皮膚温度変化、無意識的な筋肉の張りや緩み、脳の活性化領域などが異なる特徴を持っています。
また、各感情は予測可能な形で思考に影響を与えます。例えば、強い恐れを感じると、注意の意識は、リスクや問題に向かい、次々と恐ろしい結果がわき出てきます。
このような強い感情が働いている場合、脳の中心部分にある大脳辺縁系という部分に含まれる扁桃体という箇所が活性化しており、多くの神経伝達物質が放出されていますが、活性化されている感情がどのような感情なのかを意識側が理解すると、放出が収まり、活性化されている強い感情が鎮静化します。

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)
大脳辺縁系は、生命維持や本能行動、情動行動に関与しており、人間の脳としては情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与している複数の構造物です。10分でわかる脳の構造と機能vol.7「大脳辺縁系」


畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

UnsplashのSlav Romanovが撮影した写真

関連記事

感情知能を発揮する人の特徴

楽観性の発揮とは

楽観性テストでポジティブ度を測る|チャンスをつかむ人の傾向

他人との比較をロジカルに捉え、価値ある比較で成長へ

ノーブルゴールの追求とは

人間関係に悩んだら確認したい適度な心理的距離

PAGE TOP