人間関係に悩んだら確認したい適度な心理的距離

あなたは、相手との距離に違和感を感じたことはありませんか?

自分にとっての「適度な距離」はあくまで自分にとっての心地よい距離であり、相手にとってもそれが同じとは限らず、このお互いの距離感を誤ると、どちらかが違和感につながります。

人と人との関係の中には、物理的距離感と心理的距離感の2つの種類があり、ここでは心理的距離感にフォーカスしていきます。

心理的距離感

「一人になりたくない」「誰かと一緒にいたい」「手を貸してほしい」という相手への【依存願望】と、
「一人の時間は気楽だ」「他人と関わりたくない」「口を出さないて欲しい」という相手からの【自立願望】
という2つの相反(矛盾)した願望があり、この2つの願望を満たそうとして、人は他人との「適度な距離」を保とうとします。

気をつけるべきは、この適度な距離を誤ると相手に不快感を与えトラブルに発展しかねない点です。

例えば、パートナー間において、普段なら何でもないことが、些細なことがきっかけで相手の行動が目につき、言い争いになってしまったことがありますか?『家事をやってくれなかった』『洗濯物を畳んでなかった』など、相手への【依存願望】が強くなると、自分の感情のコントロールが難しくなります。

それは、パートナー、家族など身近な相手ほど【依存願望】は強くなり、適度な距離を保つことが特に難しくなります。もしこれが職場の仲間に対してだとしたら、もう少し控えることができ、少し落ち着いて相手の立場にたった考えに及ぶでしょう。

心理的距離感をうまく調整するために、相手のサインを読み取り、必要な距離や接触の度合いを調整していきます。結果、良好な人間関係を築くことができ、相手にとっての心地よい距離を理解することで、より深いコミュニケーションを図ることができるのです。

子どもの自立願望

また、お子さんがいらっしゃる方でしたら、子どもと一緒に食事の支度をしている時に、慣れない手つきで包丁を握る我が子に、「ああでもない、こうでもない」と口を出してしまったことはありませんか。つい、ケガをすることを心配したり、なかなかスムーズにいかない作業をもどかしく感じてつい手を出してしまう・・・これは子供の【自立願望】を置き去りにして、自分の心理的距離感で物事を進めてしまっています。
自分のさじ加減で、相手をコントロールせず「自分でやりたい」という思いに寄り添ってみることも大切です。

2匹のヤマアラシ

最後に、ひとつの寓話(ぐうわ)をご紹介します。

『冷たい冬のある日、2匹のヤマアラシは凍えることを防ごうとぴったり体を寄せ合った。 だが、まもなく相手のトゲが自分の体を刺して痛いので体を離した。
離れると寒くなり、くっつくと痛い。 そういうことを繰り返していくうちに、ついに、お互いを傷つけずにすみ、しかもほどほどに温め合うことのできるような間隔を発見した。』

お互いの適度な距離を知り、それを保つことがお互いの居心地の良さとなり、良い関係性を築いていくヒントになるかもしれません。

寓話(ぐうわ)とは、たとえによって人間の生活になじみの深いできごとを見せ、それによってさとすことを目的とした物語。 名指しされることのない、つまりは名無しの登場者は、動物、植物、自然現象など様々だが、必ず擬人化されている。

・戸田智弘,2017,ものの見方が変わる 座右の寓話
・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%93%E8%A9%B1

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