結果を見すえた思考とは、感情的な知能と認知的な知能の両方を活用し、行動する前に最終的な望みが得られるか、コストと利益の分析を行って最適な選択するためのコンピテンシーです。とくに結果を検討する際、感情からのフィードバック情報も活用し、思考の質を向上させ、結果予測を行なう部分がポイントとなります。
この能力の活用は、考えられる予測への感情からの評価をフィードバック情報として活用し、現実と感情的な結果予測を行い、最良な結果に結びつく思考を可能にします。
結果思考は「感情的な知能」と「認知的な知能」の両方を活用します。「考えについて感じる」ことで、瞬時に最適な選択肢を特定するツールとなります。
目の前の出来事に反応するのではなく、原因と結果の相互作用を分析することで、衝動的な判断を管理し、意図的に行動するために重要なスキルです。
定義
自分がとろうとする行動がもたらすメリットとデメリットに関して、
行動をとる前に考えることができること
自己管理には、自分の言動や行動を予測し、最終目標を達成するための結果思考が重要です。この結果思考により、自分の選択を評価し、人々がどのように反応するかを予測し、自分自身の意図に従うことができます。
理論
人は常に選択しています。その選択にはコストと利益が伴います。コストと利益のバランスのとれた決定をするためには「メタ認知」すなわち自分の思考について客観的に考えることが必要となります。それは、反応(言う、動く)する前に、自分が望む最終結果に結びつくかどうか、反応する前に、確認する時間を取ります。
このとき、大脳基底核という脳の部分が働き、感情・感覚という形で、どちらが良いか悪いか「直観」としてもたらします。それと同時に前頭連合野と呼ばれる部分が、決定に関わるコストと利益の分析を行います。この2つの部分が連携して最適の選択をします。EQを意思決定に取り入れるには思考と感情の両方への注意が必要です。
大脳基底核は、大脳皮質と視床・脳幹を結びつける神経核の集まりであり、線条体・淡蒼球・黒質・視床下核から構成されます。主な役割は、運動調節、認知機能、感情、動機づけ、学習などさまざまな機能を司ることです。
10分でわかる脳の構造と機能vol 6「大脳基底核」
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
前頭連合野は、運動皮質よりも前方に位置する前頭葉の一部です。この部分は側頭連合野や頭頂連合野から行動計画に必要な情報を受け取り、複雑な行動計画を組み立て、その実行の判断を行います。
10分でわかる脳の構造と機能vol.1「前頭葉」
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター