感情知能(心の知能指数)が活用できていない人の兆候

「感情知能が活用できていない」とは、自分自身や他人の感情を正確に認識できず、その情報を使って自分の思考や行動を導くことができない状態を指します。
その人の人間性の否定などではないことを最初にご理解ください。

周りには、自分の感情をコントロールしたり、他人の感情を理解したりすることがまったくできない人がいるかもしれません。彼らは常に間違ったことを間違ったタイミングで口や行動に出しているのではないでしょうか。
また、他人を批判することが得意であるにもかかわらず、自分は批判を受け入れることが苦手かもしれません。もしあなたがこのような人を知っている場合、その人は自分の思考や行動を導くことができない状態の可能性があります。

感情知能は基本的に人生のあらゆる側面において不可欠です。実際、多くの専門家は、人生における全体的な成功を決定する上で、IQよりもEQが重要である可能性があり、その結果を踏まえて研究を続けています。そのため、感情知能が活用できていないと、対人関係だけでなく、心身の健康にも悪影響を与える可能性があります。

典型的な兆候

それはさまざまな形で現れます。

1|常に「自分は正しい」

あなたはおそらく、いつも他人と議論をしているように見える人を知っているでしょう。友人、家族、同僚、さらには見知らぬ人までもが、こうした議論を好む人々との論争に巻き込まれることがあります。
他人の意見に耳を傾けず、とことん議論することがよくあります。たとえあなたが、彼らが間違っているという証拠を示しても、彼らはあなたの事実が間違っていると主張するでしょう。彼らは何としても勝利を手に入れようとします。彼らの主張と真逆の意見へ同意することは不可能であることがわかります。
とくに、議論好きの人は他人の気持ちを理解していないと、他の人が批判する場合に大反論してくる傾向があります。

2|他人の「気持ちという概念がない」

多くの場面で、他人の感情に気づいていないようです。彼らは、パートナーが自分に怒っていたり、友人、同僚に嫌われていることを知ったら心底驚くでしょう。 「そんなこと聞いていない、初耳だ!」と。
それだけでなく、他者が自分の気持ちを知ってくれと話すと、怒りはじめます。

3|「無神経」な行動と発言

ほとんどの場合、何を言うべきかを理解していません。また、物事を言う適切なタイミングと不適切なタイミングを理解できないこともあります。

たとえば、深刻な状況で無神経なことを口に出したり、普通は言わない冗談を言ったりするかもしれません。あなたが彼らの的外れな反応に対応すると、彼らはあなたが気にし過ぎだと振る舞います。
彼らは他人の感情を理解することが難しいため、感情の状況や雰囲気を解釈して適切に反応することができないのは当然のことです。最近は言わなくなりましたがKYの人たちです。

4|自分の問題を「他人の責任にする」

自分の感情がどのように問題につながるかについてほとんど洞察が働きません。感情知能が活用できていない人がやらないことのひとつは、自分の行動に責任を負うことです。

何か問題が起こったとき、彼らの最初の反応は、誰かまたは他の何かのせいにすることです。彼らは、自分たちがしたことには他に選択肢がなく、他の人は自分たちの状況を理解していないだけだと示唆するかもしれません。

たとえば、相手があなたの携帯を勝手に見た場合、それは携帯電話のロックを解除したままにしたあなたの責任だと言います。予定通りに事が進まない、仕事に就けない、彼らはうまくいかない事は、何らかの形でそれを他人のせいにしてしまいます。そして、手柄は自分のものにします。

5|対処能力が「低い」

感情が高ぶる状況に対応し、収束させることができないことは、本人自身が葛藤している可能性があります。自分自身の感情であれ、他人の感情であれ、感情知能が活用できていない人にとって、増幅が続く、強烈な感情を理解し、状況を好転させることは至難の業です。
彼らは、感情的な余波に対処する必要を避けるために、そのような状況から立ち去ることがよくあります。また、本当の感情を隠すこともよくあります。

6|突然、「感情が大爆発」

感情を調整する能力は、感情知能の要素の1つです。自分の感情を理解し、コントロールするのが難しいことがよくあります。彼らは、自分が実際に何を感じているのか、なぜそんなに動揺しているのかを理解せずに、反応的に言ってはいけない事を口にだしてしまうかもしれません。

EQ が欠如している人は、予期せぬ感情の爆発があり、大げさで制御不能に見えることもあります。ほんの些細なことがきっかけで激しい口論になり、それが数分から数時間続くこともあります。

7|人間関係に「苦労している」

EQが活用できていない人は、親しい友人がほとんどいないことがよくあります。なぜなら、親密な友情には、相互の譲り合いや公平なやり取り、感情の共有、思いやり、精神的サポートが必要であり、これらはすべて、EQの活用ができていない人には通常欠けている特性だからです。むしろ、EQが活用できていない人は、不快で無感情な後ろ向きな印象を与えることがよくあります。

8|会話の「主導権をほしがる」

感情知能の活用ができていない人は会話を支配する傾向があります。たとえ彼らが質問をし、熱心に聞いているように見えても、彼らは常に会話の主導権を自分たちに戻す方法を見つけます。通常、彼らはあなたが経験していることが何であれ、良くも悪くも経験したことを証明する必要があります。

さらに、形式的な態度と発言以外が出来ないため、すばやく、深い信頼関係の構築ができません。

参考:サロヴィー P、メイヤー JD。1990;9(3):185-211。土井:10.2190/DUGG-P24E-52WK-6CDG

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