自分のパターンを認識する

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「どうしてあんなこと言ってしまったのだろう・・・」
「あの時は自分らしくないことをしてしまった・・・」
「今さら、ほしいとは言いにくい・・・」

と後悔したことはないでしょうか?
自己のパターンを把握し、意識ある対応ができればこのタイプの後悔は生涯起こることはありません。

思考や行動は学習によって、形成されています。
私たちは何か出来事が起こった時に、これまでに身につけた「慣れ親しんだいつものパターン」で対処することもできますが、まったく「新しい対処方法」を学ぶことは、進歩や進化として現実を変えていきます。ステップ、成長とは新たなパターンの獲得です。

自分の「感情のパターン」「思考のパターン」を認識することで、自分にとって有意義な行動の選択をすることができます。

感情の始まり

私たちの脳は、生命を維持するために目、耳などから入る脅威に関する情報をキャッチし、感情という形で伝えることで生存のための行動をいち早く身体にとらせ、迫る脅威を回避したというのが感情の始まりと言われています。

ネガティブな感情を持つことは、悪いことではない

次の4つはネガティブなイメージの感情の一例ですが、起こるときの状況や感情が知らせようとしているメッセージには次のようなものがあり、大切な役割があります。

怒り

行動の妨害をされた時や攻撃をされた時に起こる > 攻撃・障害を払いのける

恐怖

大きなリスクや危険を知らせようとする > 脅威を避けようと身体と心が準備

嫌悪

身体や心に悪いと感じた時に起こる > 原因を避けようとする

悲しみ

大切なものを失う時に起こる > 後で再生しようとしたり、避けたりする

感情のパターン

感情への反応が、悪い結果を招いていないか?

感情を抱いた時に「悲しいってことは、自分はこんなことで悲しむ弱い人間だ」と自分を責めたり、あるいは、初めての仕事に挑戦しようとして不安を感じ「初めてのことで良く分からないから不安なんだ」と思わずに「こんなに不安だということは、自分にはできないほど困難な仕事に挑戦してしまった」と思い込み、つらい自分を責めてさらに落ち込む・・・といった悪循環に陥ったことはないでしょうか?

問題は感情そのものではなく、感情への反応の仕方

例えば、悲しみを感じる時、「悲しみ」のメッセージの意味を「大切に思っていたものの価値を改めて実感できる」のようにも受け止めると、悲しみの感じ方が少し変わり、思考や、行動も変化します。

同じように「不安」を感じた時「これは準備が不足している可能性がある」「この不安感は、新しい挑戦をしようとしている」という現実を確認する思考が重要です。
「不安だ、不安だ」と何も思考しないままでは、不安の通りとなってしまいます。

思考のパターン

自分が無意識に行っている思考のパターンが、気分を悪くしたり、望まない行動をしてしまう場合があります。

「仕事が予定通りに進まず遅れそうで、あせっている」という、まったく同じ状況を例に3つのパターンを見てみましょう。

Aさん、Bさん、Cさnにはどんな違いがあるでしょうか?

Aさん
思考・・・こんなこともできないなんて、私は無能だ(私のやり方が間違っていた)
感情・・・あせり、恐れ、無力感、不安、悲しい
行動・・・立ちすくむ、あきらめる

Bさん
思考・・・こんな時に誰もカバーしてくれないなんて、まわりの人は冷たい
感情・・・あせり、恐れ、怒り、孤独感
行動・・・八つ当たり、愚痴を言う

Cさん
思考・・・助けを求めれば、まだ間に合わせられるかもしれない
感情・・・あせり、恐れ、期待、希望
行動・・・可能性を探る、助けを求める、集中する

次の①~③について考えてみましょう。

①A~Cそれぞれのパターンについて、あなたはどんな結果を予測できますか?

クライアントに平謝りをしているのは誰ですか?、クライアントと喧嘩になってしまっている可能性の人がいますか?
クライアントに感謝され、周囲の人へ感謝を告げいている人はいますか?

②湧き上がる感情は1つだけではなく、同時に様々な感情を抱くこともあります。

A~Cのパターンで仕事を間に合わせるため、感情を「エネルギー源」として味方につけるとしたら、どの感情が助けになってくれそうですか?(感情はどんなメッセージを伝えようとしているのでしょうか?)

③それぞれの思考の癖

Aさんの思考パターンは悲観的(自分を責める)
Bさんの思考パターンは悲観的(他人や環境を責める)
Cさんの思考パターンは楽観的(前向きな解決思考)
自分と似ているパターンはありましたか?

よく起こりがちな思考のパターンを知る

人間の思考には、よく起こりがちな思考のパターンがあります。この思考パターンは出来事が事実でない場合にも、さも事実であるかのように訴え、感情を伴います。それを理解しておくことで、感情が湧きあがった時にも自分の思考パターンに気づきやすくなります。

【極端な一般化】少数の事実を見て、全てのことを同様と見てしまう

例:仕事で思うように進まないことがあると、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗ばかりする、今回もまた失敗すると考える。

【自己関連づけ】悪い出来事の原因がすべて自分のせいだと思い込み自分を責める

例:部下が取引先とトラブルになってしまったのは、全て自分のせいだと自分を責める。

【おおげさに思い込む】細部だけをみて破局的な結論を出す

例:部署異動があり、別の仕事をするように言われた。私は仕事ができない厄介者と扱われ、そのうち解雇されるに違いないと思い込む。

【白黒思考】あいまいな状態が許せず、白か黒かにとらわれる

例:「善か悪か」のような極端な判断

【べき思考】自分の行動を自分で制限して自分を責める

例:育児がつらいなんて言うべきではない。

【悪い決めつけ】うまくいかないと決めつけ、自分の行動を制限してしまう

例:面接では緊張して声が震えてうまく話せないはずだと思い込み、いざ、面接で話そうとすると失敗することばかりが頭に浮かび、声が震え結局そうなってしまった。

【読心】人からどう思われているか、根拠もないことを勝手に推測する

例:「友達が私を嫌っている」と勝手に決めつけて思い込む。

感情と思考をバランスよく

感情・思考は互いに影響を与え合って変化し、自分自身の捉え方によりその後の行動が大きく変わります。日常で起こりがちな、自分の「感情のパターン」「思考のパターン」に気づき、これまでに身につけた「慣れ親しんだいつものパターン」を手放し、まったく「新しい対処方法」を実践してみましょう。新しい方法は、自転車に乗れるようになるのに時間がかかるように、慣れるまでは意識して行う必要があります。「心から望む結果」や「ありたい自分」を意識し、感情と思考から自分を知り、バランスよく自分の味方につけることです。

Andrea Piacquadioによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3771129/

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