感情への反応を考える

感情が湧いた時、私たちは何かしらの反応をしています。
「反応しない(無視する)」というのも反応です。

不快な感情を受入れる

不快な感情や感覚が湧く時、それに対して不安や恐怖を感じ、その感情を取り除こうとしたり、無視したり、忘れようなど、なかったことにしようとすることがあります。
しかし、これは逆効果で、感情は押し込めようとすると生理的なストレス反応がむしろ強まってしまいます。ゴムボールを水の中に沈めておこうと手で押さえつけていても、疲れて手を離すとボールが反発して浮き上がるのと同じイメージです。

「波は止められないが、サーフィンはできる」という言葉

押し寄せる波を止めることができないように、湧き続ける感情自体を止めることはできませんが、感情と上手に付き合う方法はあります。

「波」に乗るように、感情と上手に付き合う方法を実践してみましょう。
最近の出来事を思い出しても良いですし、下記の例を参考に考えてみて、不快な体験をした時に湧いてくる感情を見つめてみましょう。

不快な体験の例
・上司や同僚に嫌な気持ちを感じている
・家族とケンカした
・ダイエットしていたのについ食べ過ぎてしまった
・大事な約束を忘れてしまった
・仕事が納期に間に合わなかった
・大事な場面(プレゼン、発表、試合など)で失敗した

出来事の場面が浮かんだら、下記の順番で実践してみましょう

①体の感覚を感じる

嫌な感情を避けたり無視したりするのではなく、感情が湧いている時の感覚に気づく。頭、胸、手など体の感覚、体の中のどこから感情が生まれているか?どんな感じがするのか。

②ゆっくりと深呼吸して、その感覚をありのままに感じ、観察してみる

肺の中の空気を十分に吐き出して深く吸い込んでみましょう。これを数回繰り返してみましょう。深呼吸することで、リラックスして内面に向き合うことができます。

③感情や感覚を受入れる

(感情や感覚に良い・悪いの判断をしないことがポイントです。)
今「〇〇」と感じている。・・・と、心の中でつぶやいてみましょう。
例:今、悲しいと感じている、〇〇が締め付けられそうな感じがしている。
このように、「〇〇と感じている」と付け加えることで、自分の感情を俯瞰的に観察してみましょう。感情を無視したり、追い出したりせずに、その感情のためのスペースを用意して、そっとそこに置いてやるようなイメージで受け入れてみましょう。

もし、不快を感じるような感覚だったとしても「この感覚は好きではないが、今は受け入れてみる」と容認して、感情や感覚をあるがままにさせ、観察しましょう。(感覚が変化しても、変わらなくてもそのままで良いです。)

④その感情がもたらすポジティブな面、ネガティブな面の両方を考えてみる

(両方を検討することがポイント。より良い行動の選択につながります。)

⑤自分に問いかけてみる

「本当に意味があり、自分にとって価値がある「今」出来ることはないだろうか?」

悪い(不可能)と思える状況でも、その中から良い面(可能性)を見出せるでしょうか?
つらく、厳しく、悲しい、自分にとって最悪だと思えるような状況の中にも、その出来事の意味を見出したり、これから先に自分や他者のために活かせる面はないでしょうか?過去や他人を変えることは無理でも、自分がこれから取ろうとする行動には必ず選択肢が複数あり(ひとつだけではない)、それを自分自身の力で選ぶことが可能なのです。

Life Of Pixによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/7862/

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