10年後の未来を想像して、何を備えていくか

『2011年に小学校へ入学した子どもたちの65%が、大学卒業後に今はまだ存在しない職業に就くだろう』
これは、米デューク大学の研究者であるキャシー・デビットソン氏が、2011年8月のニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った言葉です。

上述世代の子のいる親の幼少時代を振り返ってみても、当時なかったYouTuberなどが現在は仕事として存在していると思うと想像しやすいでしょうか。ファミリーレストランには料理を配膳するロボットが現れ、スーパーでは自分で商品をスキャンするセルフレジなど、今までは人間が関わってきた職業が無人化されてきています。

2015年、オックスフォード大学などの調査結果によると、2030年に日本の労働人口の約50%が人工知能等に代替可能になると発表しています。

10年後も存在する可能性が高い職業 ※抜粋

カウンセラー デザイナー 教職員・講師
医師・看護師 俳優 美容師
研究者 保育士・児童厚生員 教職員・講師

10年後に無くなっている可能性が高い職業 ※抜粋

製造工・組立工 マシンオペレーター 薬剤師
受付係 データ入力作業員(事務員) スーパー・コンビニ店員

時代と共に働く環境や職業も大きく変化し、そう遠くない未来にはマニュアル化されやすい仕事にはどんどんAIやロボットが導入され、イレギュラーにも臨機応変に対応できる『人間力』が必要となる職業に人材が求められる未来が推測されます。心を通わせることが必要な職業や、創造性・アイデアといった既成概念にとらわれない思考力が必要となる職業が生き残るといえるでしょう。

そんな時代を生きる現代の子供たちが、変化に対して受け身になるだけでなく、自分自身で課題を見つける力や、その課題の解決に向けどう取り組んでいくか、周りとどう関わっていくかを学び、柔軟で適切な判断を行える力を身につけさせることが必要な鍵となります。そのためには、親や教育者など子供と関わる周囲の大人が「教える」のではなく「どのように学ぶか」、柔軟な適応能力や多角的な視野を持たせるよう、関わっていくことが大切です。

資質・能力の三つの柱

2019年に文部科学省が学習指導要項として掲げた『育成すべき資質・能力の三つの柱必要性』から見ても、非認知能力と言われる『学びに向かう力・人間性等』を高めることにも注力していることが分かります。


文部科学省HP 『育成すべき資質・能力の三つの柱必要性』

※非認知能力とは、物事に対する考え方、取り組む姿勢、行動など、日常生活や社会活動において重要な影響を及ぼす能力のことで、IQに対しEQとも呼ばれています。

10年20年後の未来に向けて、子供が今から身につけておくべき能力はIQだけではなく、質の高い『人間力』ではないでしょうか。

非認知能力についてはこちらのページも参考にしてみてください。

文部科学省HP 『育成すべき資質・能力の三つの柱必要性』
https://www.mext.go.jp/content/1421692_7.pdf
米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が2011年8月に出版した『Now You See It 』。その出版を受けてニューヨークタイムズ紙インタビューで語った言葉「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」とされている。
https://archive.nytimes.com/opinionator.blogs.nytimes.com/2011/08/07/education-needs-a-digital-age-upgrade/
著書『雇用の未来』 マイケル・A・オズボーン
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf
UnsplashKenny Eliasonが撮影した写真

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